発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002271423
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61歳女.吐血を主訴とした.C型慢性肝炎で経過観察中,突然の大量吐血をきたした.胃静脈瘤からの出血を認め,内視鏡的静脈瘤結紮術に食道側からの内視鏡的硬化療法を追加したが再度吐血したため,経頸静脈肝内門脈大循環短絡術(TIPS)を行った.TIPS後胃静脈瘤から腎静脈へのシャント血流が消失しなかったため,ステントを通じて経皮経肝胃-食道静脈瘤塞栓術(PTO)を追加し,シャント部の閉塞を得た.静脈瘤は著明に縮小した.PTOを追加したことにより術後に予測された高アンモニア血症も軽度で,脳症を引き起すことなく退院した.TIPSとPTOの併用療法は極めて有効で,広い適応を持つと考えられた
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