発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002134881
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62歳男.腹満腹痛と発熱を主訴とした.腹部CTで上腹部より骨盤にまで及ぶ巨大なlowdensityな腫瘤を認め,内部には部分的に隔壁を認めた.エコー下で腫瘤を穿刺したところ,膿汁が出現し,細菌培養にてEscherichia coli,Klebsiella pneumoniaeを検出した.また,穿刺液中のアミラーゼの値は75,705Uと著しく高値を示していた.これらのことより,感染性膵嚢胞と診断し治療を開始した.経皮的にドレナージチューブより造影したところ,嚢胞の造影に続いて下行結腸が造影された.この所見より感染性膵嚢胞は結腸瘻を有すると診断した.外科的切除を考慮したが,患者の強い手術拒否と全身状態が比較的良いことより保存的に治療を継続した.経過は良好で,第21病日より食事を開始し,著変のないことを確認した
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