発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009290344
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48歳男性。患者は31歳時に胆石症で腹腔鏡下胆嚢切石術を受け、47歳時に急性心筋梗塞で経皮的冠動脈形成術を受けた既往があった。今回、数日来の上腹部痛で著者らの施設へ受診となり、超音波では胆嚢の腫大と胆嚢頭部に8mm大の結石が認められ、CTでは胆石と胆嚢壁の肥厚、周囲脂肪組織に炎症の波及が確認された。以上、これらのことから本症例は胆石による急性胆嚢炎と考えられ、絶食および抗生物質の投与が行われ、一時軽快したものの、第9病目の経口摂取後に腹部不快感と発熱生じた。そこで、CTを行ったところ、胆嚢は穿孔しており、大腸との間に瘻孔がみられた。更にMRCPでは胆嚢と横行結腸の間に瘻孔みられ、頸部の陰影欠損から胆石が疑われ、本症例は総じて再発胆石による胆嚢炎が原因となった胆嚢結腸瘻と診断された。患者は手術を拒否したが、説得し、入院から7週目に胆嚢摘出術が行われ、術中の大腸内視鏡では肝彎局部に周辺が隆起し中心に肉芽様組織を伴う十二指腸乳頭様形態の瘻孔がみられた。部分切除した結果、経過は良好で、患者は術後18日目に退院となった。
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