臨床室
腰椎神経根奇形に併発した腰椎椎間板ヘルニアの1例
眞島 崇史
1
,
中原 大志
,
小林 慶司
,
金子 和夫
1王子病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
MRI
,
神経系奇形
,
神経根症
,
直腸疾患
,
椎間板ヘルニア
,
膀胱疾患
,
腰椎
,
外科的減圧
Keyword:
Urinary Bladder Diseases
,
Intervertebral Disc Displacement
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lumbar Vertebrae
,
Nervous System Malformations
,
Radiculopathy
,
Radiography
,
Rectal Diseases
,
Decompression, Surgical
pp.976-979
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017392532
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67歳男性。腰痛、左下肢痛を主訴に受診となった。腰椎MRIではL5/S1に椎間板ヘルニアを認め、投薬治療を開始したが、翌々日には疼痛による体動不能を呈したため緊急入院となった。入院時MRI T2強調像ではL5/S1レベルで左側に脱出した椎間板がみられ、硬膜の中等度圧迫とS1神経根の圧迫を認めた。硬膜外カテーテルを留置して2%ロピバカイン塩酸塩水和物を持続点滴したところ、疼痛は軽減したが、入院後7日目に膀胱直腸障害が出現したため緊急手術を行った。術中所見は両側の腰仙部神経根走行異常を伴う椎間板ヘルニアであった。術翌日には腰痛、下肢痛が消失し、歩行可能となり、JOAスコアは術直前の3点から術後23点に改善した。その後、独歩退院となったが、退院時も膀胱直腸障害の改善はなく自己導尿が必要であり、現在も膀胱直腸障害は残存している。
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