発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007226698
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46歳男。左下肢痛・左下垂足・膀胱直腸障害を主訴とした。左L5-S1領域と肛門・会陰部周囲の知覚鈍麻・しびれ、左下肢の深部腱反射の低下を認め、JOAスコアは3/29点であった。腰椎MRIではL4/L5に椎間板の後方への膨隆とL5椎体レベルに硬膜管を圧迫する脱出ヘルニアを疑わせる腫瘤を認め、椎間板ヘルニアの診断で顕微鏡下髄核摘出術を施行した。左L5神経根は著明に腫脹し可動性に乏しく、L5椎体レベルで硬膜管との間に脱出したヘルニア塊を摘出し、さらにL4/L5椎間板レベルの変性髄核を摘出した。術後症状は改善し、3ヵ月後のJOAスコアは23点、改善率は77%であった。術後3ヵ月の腰椎MRIでは硬膜管の圧排は改善していたが、矢状断像で左L5神経根へ向かって連続し冠状断像で左L5/S1神経根を交通するanastomotic神経根を疑わせる画像所見を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007