発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009099215
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74歳男。主訴は右下肢しびれ、腰痛であった。腰部脊柱管狭窄症と診断され、保存的治療にて症状が悪化したためL3~L5の椎弓形成術を施行した。閉創前に髄液流出を認めたが硬膜損傷部位は同定できず、硬膜外にフィブリン糊散布と脂肪移植を行い吸引ドレーンを留置した。術後5日目に尿道カテーテルを抜去した際尿閉が判明し、腰椎MRIでL3/L4レベルにT1・T2強調像ともに低輝度の硬膜外病変による脊柱管圧迫を確認した。局所麻酔下に手術を行い、同部位に認めた多量血腫を緊急除去した。再手術後3週目に尿道カテーテルを抜去した際は自力排尿可能となり、術後4週目で独歩退院した。術後1年で間欠跛行は消失したが、会陰部の軽度知覚鈍麻と膀胱直腸障害が残っていた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009