経験と考察
人工膝関節置換術における患者立脚型評価による術後評価 Forgotten Joint Score-12を用いた検討
飛田 祐一
1
,
平中 崇文
,
谷 和泉
,
貞光 隆志
,
藤代 高明
,
上本 晴信
1高槻病院 整形外科・関節センター
キーワード:
関節可動域
,
術後期
,
治療成績
,
膝関節置換術
,
変形性膝関節症
,
BMI
,
自己報告式質問調査
,
患者報告アウトカムの判定
Keyword:
Patient Reported Outcome Measures
,
Postoperative Period
,
Body Mass Index
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Osteoarthritis, Knee
,
Self Report
pp.314-319
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017272415
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従来の評価法および日本語版Forgotten Joint Score-12(FJS-12)を用いて、人工膝関節全置換術(TKA)、人工膝関節単顆置換術(UKA)の術後成績の比較およびFJS-12に影響を与える因子について検討した。当科で施行したTKA、UKA例のうち術後1年以上経過観察を行い、最終観察時にFJS-12を評価し得た57例86膝(男12例・女性45例・平均72歳)を対象とした。FJS-12はTKA群50.5±26.8点、UKA群63.6±24.8点で、UKA群で有意に高値となった。FJS-12と臨床スコア、膝関節ROMとの相関係数をみると、JOAスコアのトータルスコアと下位尺度の歩行能、階段昇降能では両群とも中等度の正の相関を、Oxford Knee Scoreでは高度の正の相関を、Knee Society Knee Scoreの疼痛項目とKnee Society Functional Scoreでは中等度の正の相関を各々認めた。FJS-12を用いたTKAの術後評価では、UKA群はTKA群よりも手術した関節を意識しない可能性が示唆された。また、術後の疼痛や下肢運動機能の改善は、膝関節ROMの獲得よりも人工関節を意識しない要素となり得ると考えられた。
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