発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015285016
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セメントレス人工膝関節全置換術124膝を対象として、術後早期に脛骨コンポーネントペグ直下に生じる放射線透過性線像(RLL)様所見は、骨石灰化の亢進あるいは骨吸収の進行であるかを検討した。臨床成績、単純X線像、bone mineral contents/total volume(BMC/TV)値を評価した結果、術後の関節可動域とKnee Society scoreは有意に改善していた。術後RLL様所見は117膝に認めたが、出現時期はすべて術後3ヵ月以内であった。術後9ヵ月以降の脛骨内側部位と脛骨外側部位のRLL様所見は同様であるが、3-D MDCT、BMC/TV値より脛骨外側部位では骨吸収が亢進し、応力遮蔽の影響を生じていることが分かった。以上から、術後早期に脛骨コンポーネントペグ直下に生じるRLL様所見は、出現時期や部位に応じて骨石灰化の亢進もしくは骨吸収の進行を予測できることが判明した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015