発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010118216
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15歳男。バレーボール部に所属し、13歳時より左膝の違和感を自覚しており、疼痛が増悪したため受診した。左膝関節内側皮下に可動性のある腫瘤を触知し、左膝可動域(ROM)は伸展-10°、屈曲120°であった。単純X線では大腿骨外側顆膝蓋関節面の骨透亮像と遊離骨片を、CTでは同部位に2×2cm大で深さ3mmの骨欠損像を認めた。MRIのT1強調像で病変部は低輝度領域として描出された。手術を施行し、膝蓋関節面の病変部には不安定な骨軟骨片が存在しており、これを除去したところ欠損部は3×2cm大となった。遊離体は骨成分を有し、軟骨面の変性は軽度であったため骨接合に用いた。脛骨近位より皮質骨を採取して2×20mmの骨釘を3本作成し、骨軟骨片2個の骨層および母床を新鮮化した後、生体吸収性ピン5本と骨釘を用いてこれらを固定した。術後4ヵ月で疼痛、腫脹、ROM制限はなく、X線上の骨透亮像も消失していたため、骨癒合良好と判断してスポーツ復帰を許可した。術後1年で左膝ROMは伸展0°、屈曲145°であり、MRI上の低輝度領域もほぼ消失している。
©Nankodo Co., Ltd., 2010