臨床室
同一部位の硬膜外ブロックを繰り返し硬膜外膿瘍を生じた1例
大伴 直央
1
,
清水 健太郎
,
岩間 友
,
石濱 寛子
,
吉田 進二
,
吉川 寿一
1佐野厚生総合病院 整形外科
キーワード:
Staphylococcus aureus
,
医原病
,
抗細菌剤
,
硬膜外無痛法
,
MRI
,
脊柱管狭窄
,
デブリードマン
,
椎弓切除術
,
ブドウ球菌感染症
,
腰椎
,
硬膜外膿瘍
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Debridement
,
Iatrogenic Disease
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lumbar Vertebrae
,
Laminectomy
,
Spinal Stenosis
,
Staphylococcal Infections
,
Staphylococcus aureus
,
Analgesia, Epidural
,
Epidural Abscess
pp.229-232
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017145986
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55歳女。発熱、腰痛を主訴とした。両下肢のしびれに対し、同一部位の硬膜外ブロックを繰り返し受けており、神経学的異常所見はみられなかったが、血液所見では白血球の上昇、左方移動、CRP高値を認めた。MRIではT1強調脂肪抑制画像でL3~L5の硬膜外に高信号領域を呈する病変部と硬膜管の圧排のほか、硬膜外麻酔の穿刺部位と思われる瘻孔を認め、硬膜外ブロックによる医原性硬膜外膿瘍(Heusner分類stage 1)と診断して保存的治療を行ったが、膀胱直腸障害が出現して病期もstage 3へと進行したため、椎弓切除術、洗浄、デブリドマンを行った。術後約半年のMRIで膿瘍の消失を認め、筋力低下、下肢のしびれは改善したが、腰痛と膀胱直腸障害は残存した。
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