発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012061428
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86歳女。左変形性膝関節症の診断で左人工膝関節置換術を行ったが、MRSAによる術後早期感染症を発症し、洗浄・デブリドマン、インプラント抜去および抗生物質セメント含有ビーズ留置を行った。血液生化学所見、細菌培養が陰性化したため術後4ヵ月に左人工膝関節再置換術を行い、術直後より腰痛がみられたものの硬膜外カテーテル留置で対処し経過観察とした。しかし、術後3日に腰痛が増悪して右下肢優位の対麻痺が出現し、MRIでTh12/L1~L4/L5椎間に多椎間狭窄、L1~L4レベルまで左優位に脊柱管内の占拠性病変を認めた。硬膜外血腫と診断し、L2は両側椎弓切除とし、Th12、L1、L3は片側椎弓切除として血腫除去を行った。術中、傍脊柱筋は易出血性であり、Th12/L1~L3/L4において左優位に硬膜に強く癒着した凝結塊を確認した。術直後より麻痺は改善し、術後2ヵ月で一本杖で独歩可能となった。
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