発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008149276
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68歳女。頸背部痛、両上肢麻痺、排尿排便障害を主訴とした。血液検査で炎症反応と腎機能障害を認め、血液培養では黄色ブドウ球菌が検出された。頸椎MRIではC6とC7椎体およびC6/C7椎間板がT1強調像で低~等信号、T2強調像で高信号を呈し、造影効果も認めた。また、C5とC6の脊髄後方、C6とC7の椎体前方および脊髄前方に硬膜外占拠性病変を認めた。C6/C7化膿性脊椎炎と硬膜外膿瘍による頸部脊髄症の診断で、緊急に頸椎脊柱管拡大術を施行し、硬膜後方と頸椎前方に広範囲にわたる膿瘍の吸引、洗浄およびドレーン留置を行った。術後フィラデルフィアカラーにて頸椎外固定を行い抗生剤点滴静注を行ったが、C6とC7の後彎変形と炎症反応の上昇を認めたため頸椎固定をハローベストへ変更した。術後5ヵ月でC6とC7の骨癒合が得られ、術後1年経過して膀胱直腸障害はなく、歩行や日常生活に支障はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008