経験と考察
49,XXXXY症候群にみられた関節癒合症
西村 淑子
1
,
二井 英二
,
中野 祥子
,
福田 亜紀
,
西山 正紀
,
須藤 啓広
1三重県立草の実リハビリテーションセンター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨癒合症
,
ヒトX染色体
,
XXXXY症候群
,
脛腓関節
,
橈尺骨癒合症
Keyword:
Klinefelter Syndrome
,
Radiography
,
Synostosis
,
Chromosomes, Human, X
pp.224-228
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017145985
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49,XXXXY症候群にみられた関節癒合症3例を経験した。症例1は29歳男で、右膝関節に約30°の外反変形があり、X線像で両側の近位脛腓関節癒合を認めた。知的障害があったが、長下肢装具着用にて歩行可能であり、現時点で大きな問題はない。症例2は26歳男で、X線像で右側の近位脛腓関節癒合と両側の橈尺骨癒合を認めた。知的障害があり、日常生活で困ることはないため経過観察とした。症例3は13歳男で、X線像で両側の橈尺骨癒合を認めた。中等度の知的障害があり、洗顔は難しいが書字や食事に支障はないことから、作業療法訓練を行いながら経過観察とした。性染色体異常に合併した橈尺骨癒合症は近位脛腓関節癒合症を伴っている可能性があり、X線像で評価することにより早期からの適切な治療が可能になると思われた。
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