発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007095244
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脊椎硬膜外膿瘍例7例について発症後のMRI所見経過を中心に検討した。Heusner分類はII期が3例、III、IV期が各々2例ずつであった。膿瘍の範囲は、3椎体以内に限局している例が4例、それ以上に広がっている例が3例であった。全例臨床症状が強かったため、開窓術又は椎弓切除術を選択した。MRI所見は、全例で膿瘍はT1強調画像で中間信号、T2強調画像で高信号を呈し、造影を行った3例はいずれもリング状に膿瘍周辺部が造影された。硬膜管に対し、背側に位置するのが5例、腹側、背側とも存在するものが2例あった。膿瘍の広がりは、2椎体程度に限局したものや、断続的に21椎体に及んでいるものまで様々であった。また、経過中に広がるものや、経過を追うことで硬膜外膿瘍の所見が明らかになるものもあった。単純MRIでははっきりせず、造影MRIにて膿瘍が明らかになる症例もあった。随伴する組織の炎症所見として、椎体炎2例、椎間板炎2例、椎間関節炎1例があったが、硬膜外膿瘍以外に明らかな異常を認めない例も3例あった。
©Nankodo Co., Ltd., 2006