整形手術手技
腰仙部移行椎によるfar-out syndromeに対する経皮的脊椎内視鏡を用いた後方除圧の1例
浦山 茂樹
1
,
出沢 明
,
船戸 貴宏
,
北川 泰啓
,
飯田 聖
,
齋藤 善
1水野記念病院 整形外科
キーワード:
硬膜外無痛法
,
再手術
,
神経根症
,
神経ブロック
,
脊髄造影
,
内視鏡法
,
末梢神経圧迫症候群
,
腰仙骨神経叢
,
腰仙部
,
外科的減圧
,
移行椎
Keyword:
Endoscopy
,
Lumbosacral Plexus
,
Lumbosacral Region
,
Myelography
,
Nerve Block
,
Nerve Compression Syndromes
,
Reoperation
,
Radiculopathy
,
Analgesia, Epidural
,
Decompression, Surgical
pp.969-974
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016356170
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症例は61歳男性で、20年間からの腰痛、10ヵ月前から右下肢痛で硬膜外ブロックを繰り返したが、歩行障害出現で受診した。JOAスコアは12点、下肢痛のVASは70mmであった。X線で両側L5横突起は大きく、仙骨と関節を形成し、CTではその関節とL5・S1椎体に骨棘を認め、MRIで第5腰神経がL5-S1椎間孔外での絞扼を認めた。第5神経根造影直後の三次元reconstruction CTでは、第5神経は仙骨翼とL5横突起間の骨棘とL5・S1椎体の骨棘を伴う椎間板膨隆での絞扼、その尾側での全周性絞扼を認めた。その部位でのfar-out syndromeと診断し、経皮的内視鏡下にL5・S1椎体骨棘と椎間板膨隆、仙骨翼上縁内側の前方部を切除した。右下肢痛は消失して術後3日に退院したが、翌日に右下肢痛を認め、神経根造影でS1椎体後側方の骨棘と仙骨翼上縁前方部の骨切除が行われず絞扼が残存していたため再手術を行った。再手術後2年経過で下肢痛なく、JOAスコアは28点に改善した。
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