経験と考察
軟部組織欠損を伴う脛骨開放骨折に対する血管柄付き腓骨移植術の治療成績
小林 康一
1
,
深澤 克康
,
増山 直子
1労働者健康安全機構関東労災病院 整形外科
キーワード:
Vancomycin
,
脛骨骨折
,
骨髄炎
,
骨折-開放
,
デブリードマン
,
腓骨
,
ブドウ球菌感染症
,
治療成績
,
軟部組織損傷
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
血管柄付き骨移植
Keyword:
Debridement
,
Fibula
,
Fractures, Open
,
Osteomyelitis
,
Staphylococcal Infections
,
Tibial Fractures
,
Soft Tissue Injuries
,
Treatment Outcome
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
,
Vancomycin
pp.947-949
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016356165
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軟部組織と骨欠損のある脛骨開放骨折の新鮮例2例と、開放骨折後MRSA骨髄炎3例の計5例(男性4例、女性1例、平均年齢51.6歳)を対象に、血管柄付き腓骨移植の治療成績を報告した。新鮮例はデブリードマンを繰り返し、創治療後に遊離腓骨を移植した。骨髄炎例は広範囲デブリードマンとバンコマイシン塩酸塩ビーズ留置を創閉鎖まで繰り返し行い、創治療後に遊離腓骨を移植した。術後経過観察は平均8年1ヵ月であった。新鮮例のGustilo分類/骨欠損長はtype IIIb/6.5cmとtype IIIc/10cmであり、移植骨骨折は1回/2回、全荷重は5ヵ月/23ヵ月であった。骨髄炎例は全例が開放骨折後のMRSA感染で、初診までの期間は3~5ヵ月、骨欠損長は6.5~15cm、1~3回のデブリードマン後にMRSA培養陰性となった。3例とも骨癒合は得られたが、2例で疲労骨折を生じ、全荷重は4.5~17ヵ月で、感染の再発は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016