発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004248922
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77歳男.誘因なく両肩の疼痛および挙上障害が出現し,ヒアルロン酸製剤を肩峰下滑液包内に定期的に注射することで両肩痛は軽快した.その後,両第5趾中足趾節関節の腫脹,疼痛が出現し,単純X線にて骨侵食像を認めたため関節リウマチ(RA)が疑われた.プレドニゾロン内服を開始したが症状改善を認めなかった.今回,右肩痛が増強し,理学所見およびMRI所見より右肩腱板不全断裂と診断し,肩峰除圧術および腱板修復術を施行した.手術所見で肩峰下滑液包内に多数の米粒体を認め,棍棒状の滑膜の増生を認めた.米粒体の病理組織所見は表層は層状でエオジン好性であり,中心部にはフィブリン壊死物を認めた.滑膜の病理組織所見は表層細胞の多層化と強いリンパ球,形質細胞の浸潤があり,非特異的慢性炎症所見を認めた.表層の一部にて米粒体と類似する組織像を認めた.RA発症後ごく早期でも米粒体を伴う滑液包炎は存在すると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004