臨床室
スポーツにより生じた尺骨茎状突起疲労骨折の2例
三輪 仁
1
1新潟県立新発田病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
内固定法
,
骨折-疲労
,
骨ワイヤー
,
尺骨骨折
,
スポーツ障害
,
卓球
,
剣道
Keyword:
Bone Wires
,
Athletic Injuries
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Ulna Fractures
,
Fractures, Stress
pp.1275-1278
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016083041
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症例1は剣道部に所属する15歳男児で、誘因なく左手関節尺側部痛が出現し、近医より当科紹介となった。病歴、局所所見、X線像より尺骨茎状突起疲労骨折と診断し、上肢伝達麻酔下で鋼線締結による固定術を行い、術後10週で剣道の練習が可能となった。術後1年1ヵ月の最終受診時、骨折部は癒合し、高校進学後も剣道を継続している。症例2は卓球部に所属する12歳女児で、誘因なく練習中に右手関節尺側部痛が出現し、近医にて尺骨茎状突起偽関節と診断され、1ヵ月の肘下シーネ固定を受けた後に当科紹介となった。病歴、局所所見、X線像より尺骨茎状突起疲労骨折と診断し、左手のみでのラケットの使用を指示し、経過観察とした。1ヵ月後には尺骨茎状突起部の圧痛は消失し、11ヵ月後には骨折線が消失し、右手関節痛も軽快した。現在、左右手を使用し、受傷前と同様の練習を行っている。
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