臨床室
骨折手術後に非閉塞性腸間膜虚血で死亡した血液透析患者の2例
嶋 勇一郎
1
,
浜崎 晶彦
,
新井 堅
,
白石 浩一
1飯塚病院 整形外科
キーワード:
Dopamine
,
X線診断
,
血液透析
,
股関節部骨折
,
内固定法
,
骨ねじ
,
術後合併症
,
腎不全-慢性
,
脊椎骨折
,
脊椎固定術
,
X線CT
,
腰椎
,
致死的転帰
,
骨折-破裂
,
非閉塞性腸間膜虚血
,
腸間膜虚血
Keyword:
Bone Screws
,
Dopamine
,
Fracture Fixation, Internal
,
Renal Dialysis
,
Hip Fractures
,
Kidney Failure, Chronic
,
Lumbar Vertebrae
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Spinal Fusion
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Spinal Fractures
,
Fatal Outcome
,
Mesenteric Ischemia
,
Mesenteric Ischemia
pp.980-982
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015339905
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症例1は69歳男で、末期腎不全による透析歴4ヵ月であった。梯子から墜落してL1-L2破裂骨折を受傷し、入院5日目に全身麻酔下にTh12~L3後方固定を行った。挿管直後に収縮期血圧が急激に低下し、ドパミン塩酸塩を平均4μg/kg/分、150分間使用した。帰室後に嘔吐・下腹部痛・血便が出現した。腹部造影CTにて麻痺性イレウスと診断され、絶食と輸液で経過観察した。術後4日目に非閉塞性腸間膜虚血(NOMI)が疑われ、緊急試験開腹手術を行った。小腸から大腸までNOMIによる壊死が確認され、4時間後に死亡した。症例2は87歳男で、末期腎不全による透析歴が3年8ヵ月あった。転倒により右大腿骨転子下骨折を受傷し、全身麻酔下にコンプレッションヒップスクリュー固定を行った。挿管直後に血圧が急激に低下し、ドパミン塩酸塩を平均7μg/kg/分、150分間投与し、抜管後も10μg/kg/分の投与を維持した。手術翌朝に頻呼吸・意識障害・下腹部痛・筋性防御が出現した。NOMIが疑われ緊急開腹術を施行したが、広範な腸管壊死を認め、その翌朝、死亡した。
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