今日の問題点
診断および治療に難渋した腰椎固定術合併仙骨骨折
森實 一晃
1
,
藤林 俊介
,
竹本 充
,
大槻 文悟
,
松田 秀一
1西神戸医療センター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨ねじ
,
MRI
,
脊椎骨折
,
脊椎固定術
,
仙椎
,
X線CT
,
腰椎
Keyword:
Bone Screws
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lumbar Vertebrae
,
Radiography
,
Spinal Fusion
,
Sacrum
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Spinal Fractures
pp.59-63
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014169998
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症例1は78歳女性で、左変形性股関節症に対する人工股関節全置換術(THA)5年後に右臀部痛が出現し、変性側彎症の診断にてTh11~S1の後方固定術とL3の骨切り術を行うも術後8週より体幹の傾きと右臀部痛が再発し、再診となった。症例2は62歳男性で、腰部脊柱管狭窄症に対し多数回手術が行われ、最終的にTh12~S1の後側方腰椎固定術を施行したが、術後3ヵ月より再度腰臀部痛が出現し、再診となった。症例3は73歳女性で、L4/L5すべり症に対するL3~L5固定術後8年目、L1圧迫骨折に対する椎体形成術後6ヵ月目に転倒し、腰臀部痛と右側優位の下肢痛を認め、入院となった。いずれも腰椎固定術に合併した仙骨骨折と診断し、症例1と2は尾側への腸骨スクリューを用いた固定延長術を行い、術後hip spica braceを装着し、疼痛の改善、骨癒合が得られた。症例3はhip spica braceを3ヵ月装着したところ、疼痛は軽快して歩行可能となり、術後12ヵ月で骨折部および固定椎間での骨癒合が得られた。
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