発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013081447
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著者らの施設では2000年以降、高齢者の大腿骨転子部骨折に対して可能な限り入院当日または翌日までに手術を行う準緊急対応をとっている。これを踏まえて今回、大腿骨転子部骨折に対する手術における術後死亡数と合併症について検討した。2007年4月~2009年3月の間に大腿骨転子部骨折骨接合術施行の369例中、65歳以上の331名340例(男性53例、女性287例、年齢65~99歳、平均年齢84.5歳)を対象に入院翌日までに骨接合術を施行した準緊急手術群281例と入院翌々日以降に骨接合した待機手術群59例の2群間で比較した。その結果、術後死亡率は準緊急手術群0.7%(2例)、待機手術群1.7%(1例)で両群間に有意差は認めなかった。重篤な合併症は準緊急手術群8.9%(25例)、待機手術群30.5%(18例)と準緊急手術の方が有意に少なく、平均入院日数は準緊急手術群28.9日、待機手術群37.8日と有意に準緊急手術群が短かった。
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