臨床室
膝十字靱帯から発生したガングリオンに対し局所麻酔下で関節鏡視下手術を施行した2例
山本 大樹
1
,
丸箸 兆延
,
笹川 武史
,
瀬川 武司
,
清水 脩介
,
森田 保彦
,
中村 琢哉
1富山県立中央病院 整形外科
キーワード:
ガングリオン
,
関節可動域
,
関節鏡法
,
局所麻酔
,
後十字靱帯
,
MRI
,
膝外傷
,
焼灼法
,
靱帯損傷
,
スポーツ障害
,
前十字靱帯
,
掻爬術
Keyword:
Arthroscopy
,
Anesthesia, Conduction
,
Athletic Injuries
,
Cautery
,
Curettage
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Knee Injuries
,
Anterior Cruciate Ligament
,
Posterior Cruciate Ligament
,
Range of Motion, Articular
,
Ganglion Cysts
pp.643-646
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015335339
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症例1(35歳男性)。スキーにて転倒し右膝関節を捻って受傷、8ヵ月後からROM制限を認めるようになり受診となった。MRIでは前十字靱帯(ACL)の後方、後十字靱帯(PCL)の周囲にT2強調像で高信号の多房性嚢胞性病変がみられ、PCLから発生したガングリオンと診断された、そこで、局所麻酔下に関節内視鏡下手術を施行したところ、術中所見ではACL後外側に嚢胞を認め、ACL内側から嚢胞が前方に突出しており、穿刺すると黄色粘性の液体が流出した。以後、この被膜と周囲の滑膜を可及的に掻爬・焼灼し、ACLとPCLの緊張を確認した結果、術直後からROM制限は消失、術後1週間でスクワットが可能となり、術後10ヵ月のMRIではガングリオンの再発はみられず、ROMも良好に保たれていた。症例2(55歳女性)。誘因なく左膝関節痛が出現、2ヵ月後にはROM制限を来し受診となった。MRIではPCL後方から近位に連続したT2強調像で高信号を呈する嚢胞性病変が認められガングリオンと診断、局所麻酔下に関節内視鏡下手術を行なったところ、後顆後方に嚢胞が確認され、被膜を焼灼すると黄色の液体が流出、そこで、被膜・滑膜を可及的に掻爬して嚢胞が消失したことを確認し手術を終了した。その結果、術直後からROM制限は消失、術後3ヵ月のMRIではガングリオンの再発は認めず、ROMも良好に保たれていた。
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