臨床室
還納式椎弓形成による馬尾腫瘍術後感染例の1例
菊地 修平
1
,
沼田 徳生
,
村上 秀樹
1岩手医科大学 整形外科
キーワード:
Gadolinium
,
再手術
,
MRI
,
神経鞘腫
,
脊髄造影
,
デブリードマン
,
椎弓切除術
,
馬尾
,
術後感染症
,
椎弓形成術
,
馬尾腫瘍
Keyword:
Debridement
,
Cauda Equina
,
Gadolinium
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Laminectomy
,
Myelography
,
Neurilemmoma
,
Reoperation
,
Laminoplasty
pp.1155-1157
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015009307
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52歳男。左下肢の痛み、しびれを主訴とした。腰椎造影MRIではTh12/L1、L2、L3高位にガドリニウム造影効果のある腫瘍性病変が描出された。脊髄造影ではTh12/L1高位にcapping像、L2高位に類円形腫瘍像を認め、多発馬尾腫瘍の診断で還納式椎弓形成術(還納形成)を行い、摘出腫瘍の病理組織診は神経鞘腫であったが、術後2週より創部の感染徴候を認めた。保存的に治療するも感染徴候の沈静化が得られず、初回術後4ヵ月で再手術を行ったところ、椎弓を還納したTh12-L1の椎弓と硬膜間の瘢痕形成は軽度で、硬膜管壁の可動性も維持されていた。一方、部分椎弓切除を行ったL2高位の軟部組織に感染徴候はなかったが、硬膜上に著明な瘢痕形成を認めた。周囲のデブリドマンと還納椎弓の切除を行い、持続洗浄を設置したところ、約1週間で局所および全身の感染徴候は沈静化した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014