臨床室
脊髄円錐部に発生したきわめてまれなparagangliomaの1例
畑 亮輔
1
,
石井 賢
,
三上 修治
,
渡邉 航太
,
戸山 芳昭
,
松本 守雄
,
中村 雅也
1慶応義塾大学 整形外科
キーワード:
硬膜
,
MRI
,
脊髄腫瘍
,
傍神経節腫
,
Gadopentetic Acid
,
神経剥離術
,
人工硬膜
Keyword:
Dura Mater
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Paraganglioma
,
Spinal Cord Neoplasms
,
Gadolinium DTPA
pp.1150-1153
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015009305
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69歳男。両下肢麻痺、膀胱直腸障害を主訴とした。脊髄円錐部腫瘍(粘液乳頭状上衣腫)の部分切除術の既往があり、入院時所見では両下肢の筋力低下、L5以下に左優位に知覚鈍麻、尿閉を認め、日本整形外科学会腰痛治療成績判定基準は2.5/11点であった。胸腰椎移行部MRIでは、Th11~L1椎体高位にT1・T2強調画像で低信号、gadopentetate dimeglumine造影像で、ほぼ均一な造影効果を呈する充実性腫瘍を認め、円錐部は背側へ強く圧排されていた。残存腫瘍病変の増大による神経症状の悪化と診断し腫瘍切除術を行った。神経根に連続する腫瘍を一塊に切除できた。病理所見ではZellballen構造を認め、免疫組織染色の結果より傍神経節腫と診断した。術後MRIでは残存病変を認めず、膀胱直腸障害は残存したものの、神経脱落症状なく下肢筋力は改善し、杖なし歩行が可能となった。
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