臨床室
保存的治療で改善した鎖骨骨幹部骨折に伴う遅発性腕神経叢麻痺の1例
美馬 雄一郎
1
,
加藤 雅敬
,
榮 利昌
,
宇田川 和彦
,
斉藤 憲太
,
藤田 貴也
,
高橋 正明
1国立病院機構東京医療センター 整形外科
キーワード:
Vitamin B12
,
X線診断
,
骨折固定法
,
X線CT
,
多発性外傷
,
腕神経叢障害
,
筋力増強訓練
,
鎖骨骨折
Keyword:
Fracture Fixation
,
Multiple Trauma
,
Radiography
,
Vitamin B 12
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Brachial Plexus Neuropathies
pp.1158-1160
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015009308
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46歳男。左上肢麻痺を主訴とした。鎖骨骨幹部骨折に対して鎖骨バンド固定による保存的治療を行ったが、退院後6日目より左上肢の麻痺、しびれ、冷感を自覚した。受診時には左上肢の筋力と握力の低下を認め、左上肢の感覚は橈骨神経領域、尺骨神経領域で低下しており、CT所見では遠位骨折端部に形成された約1.5cmの腫瘤状仮骨が神経血管側に接しているのが確認できた。身体所見、画像所見より左鎖骨骨幹部骨折後の仮骨形成による遅発性腕神経叢麻痺と診断し、本人の希望でビタミンB12製剤の内服と左上肢筋力訓練を開始したところ、麻痺発症後1ヵ月頃から徐々に麻痺が改善し、発症後3ヵ月で握力の回復としびれ・冷感の消失が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014