発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010036362
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76歳男。腰痛と右下肢しびれを主訴とした。MRI(0.7T)にてL4すべりと、L2/L3、L4/L5椎間板レベルでの硬膜嚢の狭小化を認め、保存的治療を行ったが効果なく、手術的治療を考慮して脊髄造影検査を施行し、L3下縁~L4上縁レベルに騎袴状陰影とL4/L5レベルでの硬膜嚢の圧排像を認めた。ミエロCTではL3~L4高位に馬尾腫瘍様の陰影欠損、L4/L5レベルでの硬膜嚢圧排像を認め、造影MRI(1.5T)ではT1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号、Gd-DTPAで腫瘍周囲のみが造営される嚢腫様病変を認めた。以上より、馬尾腫瘍とL4すべり症の合併病変と診断して手術を施行した。L4/L5の拡大開窓術後、T-sawによるL3骨形成的椎弓切除にて硬膜背面を露出し、顕微鏡視下に硬膜切開を行い、母指頭大の馬尾神経腫瘍を切除した。病理組織所見はAntoni分類B型の神経鞘腫であった。術後1年現在、再発なく経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009