発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006225115
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43歳男.両手のしびれ感,左下肢の違和感が出現した.X線でC3-C4左椎間孔の拡大を認め,造影MRIではC3-C4高位で脊柱管中央から左椎間孔外側に及ぶ砂時計型の腫瘍を認めた.脊髄造影像では同部位で硬膜は左側より圧排され,ミエロCTの所見より腫瘍は硬膜内に及んでいると考えられた.Eden分類type 2の砂時計腫と診断し,C3-C4椎間関節温存の腫瘍摘出術を施行した.C2棘突起を半切りし,頸半棘筋と下頭斜筋を付着したまま翻転して片開きで脊柱管内を展開した.C3椎弓根下端部直下と,細小化して下方にシフトしたC4椎弓根上端部直上に合わせて切離することで,C3-C4椎間関節を含めた展開が可能であり,腫瘍の状態が把握できた.腫瘍は脊髄と接していたが剥離は容易であった.腫瘍は後根より発生しており,剥離困難であったため後根を切断し全摘した.摘出腫瘍はAntoni A型,B型の混在する神経鞘腫であった.術後症状は消失し,12ヵ月経過して腫瘍の再発はなく,アライメントは良好で,椎間関節は温存されている
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