臨床室
特発性頸椎後彎症の術後に頸胸椎移行部で隣接椎間障害をきたした1例
垣内 大毅
1
,
関 庄二
,
川口 善治
,
牧野 紘士
,
木村 友厚
1富山大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節疾患
,
頸椎
,
骨ねじ
,
骨ワイヤー
,
術後合併症
,
脊柱後彎症
,
脊椎固定術
,
X線CT
,
椎間関節
Keyword:
Bone Screws
,
Bone Wires
,
Cervical Vertebrae
,
Joint Diseases
,
Kyphosis
,
Radiography
,
Postoperative Complications
,
Spinal Fusion
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Zygapophyseal Joint
pp.1146-1149
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015009304
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18歳女。頸椎後彎変形、前方注視困難を主訴とした。原発性無月経に対するホルモン治療中であり、14歳時に頸椎後彎症に対する頸椎前方解離およびC2~C7後方固定術、17歳時に側彎症に対するTh10~L3後方固定術を受けたが、術後より頭頸部の前傾姿勢が悪化した。画像所見ではC7-Th1の骨棘形成と22°の後方開大、C7-Th1レベルでの屈曲変形を認め、頸椎後彎症術後に生じたC7-Th1レベルの隣接椎間障害と診断してTh2~Th4後方矯正固定術を行い、最終的にC2~Th4後方矯正固定術を施行した結果、術後は頸椎の前傾姿勢が改善し、前方注視が可能となった。本症例では今後も長期的なホルモン治療が必要であり、側彎症の悪化に伴う矯正固定術の追加や手術の固定上下端での隣接椎間障害などの可能性も否定できないことから、慎重な経過観察が必要と思われた。
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