臨床室
健常男性に発症した大腿外側広筋内膿瘍の1例
徳永 綾乃
1
,
伊藤 芳章
,
平岩 利仁
,
平野 典和
1富山労災病院 整形外科
キーワード:
Cefazolin
,
X線診断
,
超音波診断
,
X線CT
,
膿瘍
,
大腿四頭筋
,
筋炎-化膿性
Keyword:
Abscess
,
Cefazolin
,
Radiography
,
Ultrasonography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Pyomyositis
,
Quadriceps Muscle
pp.46-49
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014169995
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症例は37歳男性で、左大腿部痛、発熱、歩行困難を主訴に受診した。初診時、採血データではWBC、CRPの上昇を認め、CTでは左大腿外側広筋の腫脹を認め、筋肉内には低吸収を伴っていた。MRI T1強調画像で等輝度、T2強調画像で高輝度を呈し、造影MRIでは外側広筋が淡く造影され、その中に低輝度域を認めた。以上より、左大腿外側広筋内膿瘍と診断し、手術を施行した。術中所見では外側広筋内に黄白色の変性した筋組織を認め、可及的に切除・洗浄し、ドレーンを留置し閉創した。入院時の大腿部穿刺検体からは化膿性連鎖球菌が検出され、抗生物質をSBT/ABPC、CLDMに変更したところ、術後3日目には解熱し、血液検査での炎症所見は術後12日で正常化し、超音波検査による低エコー域も術後15日目には消失した。
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