発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2017388801
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症例1(63歳男性)。転倒を契機に左膝痛が出現し、受診となった。単純X線では膝蓋骨上方の石灰化が認められ、MRIにて大腿四頭筋腱皮下断裂と診断され、初診後4日に断裂部の縫合術を行った。術後6ヵ月でROMが0~135°となり、自動伸展不全もみられなかった。症例2(36例男性)。右膝を踏ん張った際に右膝痛が出現したため受診となった。単純X線では膝蓋骨上極骨棘と膝蓋骨近位に剥離骨片を認め、MRIにて大腿四頭筋腱皮下断裂と診断され、断裂部の縫合術が行われた。術後5ヵ月でROMは0~135°、自動伸展不全はみられなかった。いずれの症例も基礎疾患はなかったが、X線にて膝蓋骨近位に骨病変がみられ、骨棘や石灰化の部位で断裂を生じていた。このことから膝蓋骨近位の骨病変は、大腿四頭筋腱皮下断裂を診断する際の手がかりとなる可能性が示唆された。
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