発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011072008
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6歳男。運動会の練習で走っていた際、右股関節に異音がし、数時間後から発熱と右股関節痛を伴うようになり、次第に歩行困難となった。初診時、38.8℃、右股関節に圧痛があり、可動域制限を認め、検査所見で炎症所見を認めた。ピペラシリンナトリウムの点滴投与を開始し、翌日にMRIを行ったところ、右股関節外旋筋群にT1強調像で低信号、T2強調像で高信号領域を認めた。化膿性筋炎と診断し、ピペラシリンナトリウムの投与を継続したところ、3日目に平熱となり、6日目に右股関節痛は消失し歩行可能となった。入院時に行った血液培養でメチシリン感受性黄色ブドウ球菌が検出されたため、より感受性のあるセフォチアム塩酸塩に変更した。13日目にCRPが陰性化し、セフジニルの内服に切り替え退院となり、21日目の再診時に再度CRPの陰性化を確認して内服を終了した。1年後の現在、右股関節痛の再燃は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010