臨床室
長期血液透析患者における人工骨頭置換術後の難治性感染に対して前外側大腿皮弁付き外側広筋弁移植術を施行した1例
冨永 絢子
1
,
大鶴 任彦
,
森田 裕司
,
加藤 義治
1東京女子医科大学 整形外科
キーワード:
Vancomycin
,
X線診断
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
デブリードマン
,
大腿骨頸部骨折
,
ブドウ球菌感染症
,
補綴関連感染症
,
股関節置換術
,
筋皮弁
,
大腿四頭筋
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
Keyword:
Debridement
,
Femoral Neck Fractures
,
Renal Dialysis
,
Kidney Failure, Chronic
,
Radiography
,
Staphylococcal Infections
,
Vancomycin
,
Prosthesis-Related Infections
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Quadriceps Muscle
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
,
Myocutaneous Flap
pp.139-141
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014188452
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66歳男。左股関節痛・発熱・意識障害を主訴とした。長期の血液透析と人工骨頭置換術の既往があった。1年前に左大腿骨転子部骨折を受傷し、保存的治療によりLofstrand杖2本での自立歩行が可能であった。股関節単純X線像では左人工骨頭のステムの全周性の弛みと大腿骨転子部の偽関節所見を認めた。関節穿刺液と静脈血液培養よりメチシリン感受性黄色ブドウ球菌が検出されたため、感染から敗血症性ショックにいたったと判断し、緊急手術によりインプラントの抜去と洗浄デブリドマン、抗菌薬含有セメントの挿入を行った。感染が再燃したため初回手術後6週目に前外側大腿皮弁付き外側広筋弁移植術を施行した。経過中感染が再々燃したが保存的に軽快し、術後4年の最終観察時に下肢長は健側比3cmの短縮を認めたが補高靴とT字杖を使用して自立歩行は可能であり、日本整形外科学会股関節機能判定基準は77点で、患者の満足度はきわめて高かった。
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