臨床室
頭部有棘細胞癌に伴う皮膚感染症から波及した化膿性股関節炎の1例
小林 貴幸
1
,
鈴木 健太郎
,
矢嶋 秀明
,
堀米 玲子
1飯田病院 整形外科
キーワード:
関節炎-感染性
,
股関節
,
MRI
,
X線CT
,
頭頸部腫瘍
,
皮膚疾患-感染性
,
扁平上皮癌
Keyword:
Arthritis, Infectious
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Head and Neck Neoplasms
,
Hip Joint
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Skin Diseases, Infectious
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.1285-1288
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014009496
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症例は65歳女性で、突然右股関節痛が出現し、歩行不能となったため、当科入院となった。入院時単純X線所見にて変形性股関節症による右股関節痛を考えたが、3日後のMRIで右股関節内に液体貯留を認め、股関節穿刺液より黄色ブドウ球菌が検出されたため、化膿性股関節炎と診断し、股関節切開・洗浄を行った。また、入院時、頭頂部に3×3cm大の悪臭を伴う隆起した皮膚腫瘤を認め、その後の精査で頭部有棘細胞癌が明らかとなったため、頭部腫瘍全摘出を行った。術後炎症反応は陰性化し、術後2ヵ月で膿瘍は縮小傾向を示し、現在、杖歩行が可能である。本症例では頭部有棘細胞癌に伴う皮膚感染から波及した化膿性股関節炎が示唆された。
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