臨床室
化膿性椎間板炎から両側腸腰筋膿瘍を介して両側化膿性股関節炎を発症した1例
平田 將之
1
,
岡本 尚史
,
中村 知寿
,
おおえ 賢一
,
上田 祐輔
,
飯田 寛和
1関西医科大学 整形外科
キーワード:
Pseudomonas aeruginosa
,
Pseudomonas Infection
,
X線診断
,
椎間板炎
,
関節炎-感染性
,
抗感染剤
,
股関節
,
骨セメント
,
再手術
,
MRI
,
放射性核種イメージング
,
補綴関連感染症
,
腰筋膿瘍
,
股関節置換術
,
体内埋込み具の除去
Keyword:
Anti-Infective Agents
,
Arthritis, Infectious
,
Bone Cements
,
Hip Joint
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Reoperation
,
Radiography
,
Radionuclide Imaging
,
Pseudomonas aeruginosa
,
Pseudomonas Infections
,
Prosthesis-Related Infections
,
Discitis
,
Psoas Abscess
,
Device Removal
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.29-33
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016136612
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77歳女。左大腿骨頸部骨折に対する人工骨頭挿入術後3ヵ月目に誘因なく腰痛が出現し、近医にて化膿性椎間板炎・両腸腰筋膿瘍と診断のもと保存的治療を開始された。1ヵ月後に胸鎖乳突筋膿瘍と両側化膿性股関節炎を合併し、最もコントロールの悪い左股関節に対しインプラント抜去、病巣郭清およびALACビーズ・ロッド留置術が施行され、感染の再評価と精査治療目的に当院転院となった。入院時所見より感染は収束傾向と判断し、右化膿性股関節炎と化膿性椎間板炎に対して保存的治療を選択し、ALACビーズ・ロッド留置術後の左股関節に対してのみ手術的治療(ALAC併用人工股関節再置換術)を施行した。術後は抗菌薬投与を行い、炎症反応は低下し、感染徴候や疼痛の再発なく経過した。術後5週で歩行器歩行が可能となり、術後8週で紹介元へ転院し、術後6ヵ月の現在、感染の再燃はみられず、経過良好である。
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