臨床室
発症後50年を経過した大腿骨骨髄炎に対し髄内持続洗浄と筋皮弁移行術により鎮静化を得た1例
安部 幸雄
1
,
松木 佑太
,
吉田 紘二
,
明石 浩介
,
二武 皇夫
1済生会下関総合病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨髄炎
,
MRI
,
治療的洗浄
,
大腿骨
,
筋皮弁
Keyword:
Femur
,
Therapeutic Irrigation
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Osteomyelitis
,
Radiography
,
Myocutaneous Flap
pp.1289-1292
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014009497
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は59歳男性で、8歳時に左大腿骨骨髄炎を発症し、以後間欠的に排膿を繰り返し複数回の手術を施行されたが完全治癒には至らなかった。今回、打撲を契機に左大腿部痛と排膿を生じ、前医の培養にてGram陰性桿菌が検出されたため、当院紹介となった。臨床経過および単純X線、MRI所見より、発症後50年を経過した難治性大腿骨骨髄炎と診断し、瘢痕化した外側広筋を切除し、骨髄内の持続洗浄と大腿二頭筋皮弁移行術を行った。術後はフロモキセフナトリウムの点滴投与を3日間行った後、セフカペンピボキシル塩酸塩水和物の内服を2ヵ月間処方した。術後2週でCRPは陰性化し、術後8ヵ月の時点で疼痛・腫脹を認めず、歩行は正常で、膝屈伸力や可動域も左右差がみられなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013