発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010118212
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24歳女。全身性エリテマトーデスのためステロイド内服中であった。スノーボード中に転倒して右手掌をつき、X線でAO分類C1の橈骨遠位端骨折を認め、受傷後5日に掌側ロッキングプレートを用いて観血的骨接合術を施行した。術後は特に問題なく経過し、3ヵ月後に骨癒合が得られ、6ヵ月後には職場に復帰した。しかし、術後8ヵ月に誘因なく右母指指節間関節の自動屈曲が不能となり、長母指屈筋腱(FPL)断裂と診断して手術を施行した。プレートはやや遠位に偏っており、遠位端が突出していた。FPLは完全に断裂し、遠位断端は手根管内に認めた。突出したプレートの遠位端部による機械的摩耗が断裂の原因と考え、プレートは抜去し、FPLの端端縫合は不可能のため長掌筋腱を用いた腱移植術を行った。再建術後1年経過し、母指の可動域、握力に左右差はなく、就労にも支障はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010