発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013191392
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55歳男。ボールを右示指に強打して受傷した。遠位指節皮線に一致して開放創があり、中節骨骨頭が露出していた。単純X線の側画像で遠位指節間(DIP)関節の背側脱臼を認め、正面像では末節骨が側方にも偏位していた。指神経ブロックを施行し、牽引による徒手整復を試みたものの整復不能であり、受傷時のX線像で末節骨が側方へ偏位していたことから、整復阻害因子として深指屈筋(FDP)の介在を疑った。開放創の正中より愛護的に単鈍鉤を挿入し、中節骨背橈側に介在するFDPを掌側へ引き出すと、脱臼は容易に整復された。透視でDIP関節の側方不安定性を確認したが僅かであり、側副靱帯の整復は行わなかった。創部を洗浄・縫合して手術を終了し、術後はDIP関節を伸展位でアルフェンスシーネ固定し、受傷後2週で外固定を除去して可動域訓練を行った。術後10週で可動域の良好な回復を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013