関節周辺骨折 最近の診断・治療
手関節、手根骨、指関節 陳旧性近位指節間関節脱臼骨折に対する手術的治療
佐藤 和毅
1
1慶応義塾大学 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
関節形成術
,
MRI
,
手指関節
,
手指外傷
,
X線CT
,
人工関節
,
関節置換術
,
脱臼骨折
Keyword:
Fracture Dislocation
,
Arthroplasty
,
Finger Injuries
,
Finger Joint
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Joint Prosthesis
,
Radiography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Range of Motion, Articular
,
Arthroplasty, Replacement
pp.91-97
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2010044643
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手術的治療を行った陳旧性近位指節間(PIP)関節脱臼骨折29例29関節(男23例・女6例・平均33歳)の成績を報告した。術式は矯正骨切り術22例(A群)、肋骨肋軟骨移植による関節形成術6例(B群)、人工指関節置換術1例であった。術後観察期間6~72ヵ月で、全例で初診時に認めた物体把持障害、巧緻運動障害は消失・改善し、明らかな側方偏位や不安定性が残った症例はなかった。PIP関節のarcは、A群で術前平均22°から69°に、B群で平均8°から68°に、置換術例は0°(強直)から65°に改善した。術後運動時痛の残存をA群の4例に認め、うち2例はPIP関節arcが40°以下の不良例であった。この4例は術前に関節軟骨損傷を認めており、手術までの期間は平均20週間と比較的長く、年齢は43~75歳と高齢であった。最終観察時のX線像で明らかな関節症性変化の進行をA群の5例で認め、うち4例は運動時痛残存例で、他の1例は運動時痛なくarcも良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009