発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009003482
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55歳男性。患者は仕事中にベルトに巻き込まれて受傷、近医にて左母指指節間(IP)関節脱臼と診断されたが、徒手整復不能で3日後に著者らも施設へ紹介受診となった。所見では左母指IP関節は30°屈曲位で固定されており、X線・3D-CTで末節骨の回旋を伴った掌側亜脱臼と診断、翌日に伝達麻酔下で手術が行なわれた。その結果、左長母指伸筋腱が中1/2で末節骨付着部より近位2cmにわたり縦に裂け、尺側部分が基節骨尺側顆部掌側に転移し整復障害となっており、尺側部分を元に戻すことで亜脱臼は用意に整復された。更に尺側側副靱帯は実質部で断裂しており、長母指伸筋腱と尺側側副靱帯を吸収糸で修復、術後3週間でアルフェンス副子固定が行なわれた。以後、3年経過で母指IP関節は伸展0°、屈曲80°で疼痛はなく、X線でも亜脱臼は認めなくなった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008