発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008030694
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9歳男児。ドッジボールで右母指が過伸展位となり受傷した。外傷性母指中手指節(MP)関節脱臼の診断で、局所麻酔下に徒手整復を試みたが不能であったため、観血的整復の必要性も含め受診した。右母指MP関節を中心に腫脹と圧痛を認め、中手骨骨頭を掌側に触知した。母指MP関節伸展位、手関節・母指指節間(IP)関節屈曲位をとり自動運動は不能であった。単純X線で母指MP関節の背側への完全脱臼を認めた。観血的整復への移行の可能性を説明の上、全身麻酔下で徒手整復を行い基節骨を背屈させた状態で介在する軟部組織を押し出すように基節骨基部を中手骨に押しつけながら最後にMP関節を屈曲させた。整復操作により大きなクリック音を伴いながら関節は整復された。単純X線で整復が確認され、外固定を2週間行った。術後4ヵ月、ROM制限、側方動揺性、疼痛はなく経過良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007