発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013191387
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骨盤輪骨折に合併したMorel-Lavallee損傷5例を対象に、治療内容、治癒までの期間、合併症および後遺症を調査した。対象の骨折型はAO分類B1:1例、C1-3:2例、C3-3:2例で、Morel-Lavallee損傷部位は背部~臀部3例、大腿骨大転子部2例であった。治療は、AO分類type Cの4例にはプレート固定(1例は椎弓根スクリューを併用)を、type Bの1例には創外固定を行った。Morel-Lavallee損傷に対しては、4例には受傷後3~9日に小切開でデブリドマンを行った後に陰圧ドレーンを留置したが、残り1例は範囲が比較的狭かったため処置は行わなかった。その後、対象中4例で創が感染し、うち2例で植皮を要した。また、骨盤骨折からの出血に対し動脈塞栓術を施行した2例中1例で創を開放した際に臀筋壊死を合併していることが判明し、デブリドマンを行った。受傷から治癒までの期間は、感染が起きなかった1例は21日、感染が起きた4例は平均104日であった。最終評価時、臀筋壊死を合併した1例は両股関節に軽度のROM制限と筋力低下が残存したが、残りの4例に機能的な後遺症は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013