発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006225119
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
73歳女.左股関節部痛が出現し,徐々に増悪した.股関節内側部に腫瘤を触知し,穿刺により古い血液成分を吸引したが,穿刺液には浮遊物や膿は認めなかった.穿刺後疼痛が軽快したため経過観察としたが,1週間後に再燃した.MRIで外閉鎖筋内に液面形成を有する嚢腫様病変を認め,恥骨にT1強調像で低信号,T2強調像で高信号の信号強度変化を認めた.CTでは左恥骨骨皮質の連続性が破綻しており,恥骨骨折と考えた.骨シンチグラムでは左恥骨と両仙腸関節に異常集積を認め,腰椎骨塩定量所見では若年成人平均値の67%と骨粗鬆症を認めた.左恥骨脆弱性骨折およびそれに伴う外閉鎖筋内血腫と診断し,安静臥床で保存的に加療した.4週間の入院で杖歩行可能となり退院し,1年経過で疼痛や血腫の再発はない
©Nankodo Co., Ltd., 2006