発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011143731
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腰椎由来と考えてX線検査以外に最初に腰椎MRIを行った仙骨不全骨折17例について検討を行った。対象は男1例・女16例、平均80歳であり、6例は既に他院にて腰痛、坐骨神経痛、腰部脊柱管狭窄症の診断で局所注射、硬膜外ブロック注射の治療を受けていた。17例の主訴は腰痛または臀部痛14例、下肢痛7例、大腿痛6例であり、腰痛または下肢痛から腰椎を原因と考え最初に腰椎MRIを施行していた。最終診断では17例全例に仙骨不全骨折があり、H字状骨折13例、両仙骨翼骨折2例、左仙骨翼骨折2例であった。仙骨単独の骨折が6例、仙骨と恥骨骨折合併例が11例あった。16例の腰椎MRIで仙骨骨折を疑わせる異常所見を認めたが、9例で仙骨骨折が見逃されていた。残り7例は仙骨不全骨折と診断され、うち5例は仙骨に異常を認めたため、同時に仙骨部または骨盤MRIを追加していた。腰椎MRIで異常を認めなかった1例は、骨シンチグラムで両仙骨翼骨折を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011