発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006302238
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1998年以降,C6-C7棘突起を温存又は再建し,3-4椎弓に限定した小範囲椎弓形成術を施行した圧迫性頸髄症49例の手術成績を調査し,1998年以前に施行したC3-C7椎弓形成術群と比較した.術後項部愁訴について聴取可能であった47例(小範囲群)と,C3-C7形成術でC7棘突起を切除した25例(C3-C7,C7切除群),C3-C7形成術でC7棘突起を再建した22例(C3-C7,C7再建群)の3群に分け以下について検討した.小範囲群の術中出血量は平均361ml,手術時間は平均97分で,C3-C7椎弓形成群より51分短縮した.JOAスコアは術前平均9.1±3.2点,術後平均12.8±2.6点であった.術前の頸椎アライメントは前彎44例,直線状3例,S状2例であった.術後の頸部痛の発生頻度は3群間に有意差は認められなかった.術後の肩こりについては,C3-C7,C7切除群より小範囲群で有意に少なかったが,小範囲群とC3-C7,C7再建群は有意差がなかった.術後の肩こりに関しC7棘突起温存の効果を明らかにするため,小範囲群47例のうちC7椎弓形成を行わずC7棘突起に全く侵襲を加えなかった44例をC7温存群とし,C3-C7,C7再建群22例にC7棘突起再建を行った小範囲群3例を加えた25例をC7再建群として比較した.その結果,全く症状のない例はC7温存群で86.4%,C7再建群で64.0%で,常に肩こりがある例は各々9.1%,20%と,C7再建群と比較してC7温存群で有意に少なかった
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