発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013098773
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42歳男。職業は建築作業員で、受診の1年前から左下肢に軽度の違和感を自覚していた。2ヵ月前から左下肢に痺れ・疼痛が出現し、徐々に悪化してきたため受診した。CT検査で左L4下関節突起から脊柱管内に広がる有茎性の骨隆起を認め、また、下関節突起の海綿骨と正常椎骨との連続性を認めた。MRIではT1・T2強調像とも病変の中心部が高輝度で、周辺部は低輝度を示し、硬膜管を後外側から強く圧排している所見が認められた。これらより、脊柱管内に発生した骨軟骨腫による左L5神経根障害と考え、腫瘍切除術を行った。後方進入でL4-L5左椎弓を展開し、L4/L5左黄色靱帯浅層を除去すると腫瘍の一部が確認されたため、L5左椎弓頭側を1/3切除し、腫瘍の尾側端を確認した。線鋸を用いてL4棘突起を正中で縦割し、さらにL4左椎弓外側を切離することで、腫瘍とL4左椎弓を一塊として切除することができた。摘出した腫瘍は下関節突起から発生しており、大きさは約20×20mmで、病理組織所見から骨軟骨腫と診断した。術後経過は良好で、症状は速やかに消失した。
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