発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013211791
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2007年1月~2011年6月に人工関節置換術を行った1400関節に対し、肺血栓塞栓症(PTE)を最終的な予防対象として静脈エコー検査を行った。内訳は人工膝関節全置換術(TKA)961関節、人工膝単顆置換術(UKA)111関節、人工股関節全置換術(THA)328関節であり、全術式の下肢深部静脈血栓(DVT)発生率は術前12.9%、術翌日39.1%であった。術翌日の術式別DVT発生率はTKA 44.2%、UKA 36.9%、THA 24.6%で、発生部位はヒラメ静脈が多かったが、無症候性のDVTや症候性のPTEの発生は認めなかった。DVTの多くは術翌日までに形成されると考えられ、術前と離床前のエコー検査にてDVTを検出するとともに、静脈血栓塞栓症予防プロトコルによりDVTの増大と新規発生を抑制することで致死性のPTEの発生を回避できると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013