高齢者骨折に対する私の治療法
骨粗鬆症に伴う下肢の骨折 大腿骨頭 大腿骨頭の軟骨下脆弱性骨折に対する人工骨頭置換術
馬場 美奈子
1
,
加来 信広
,
津村 弘
1湯布院厚生年金病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨折-自然
,
骨粗鬆症
,
大腿骨頸部骨折
,
軟骨
,
失血-外科
,
股関節置換術
,
セメントレス人工関節
,
手術時間
,
骨盤傾斜
Keyword:
Cartilage
,
Femoral Neck Fractures
,
Fractures, Spontaneous
,
Osteoporosis
,
Radiography
,
Blood Loss, Surgical
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Operative Time
pp.124-128
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2008055154
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1999年~2007年にかけbipolar型人工骨頭置換術(BHA)を施行した大腿骨頭荷重部の軟骨下骨脆弱骨折(SIF)症例5例5股(平均年齢76歳)を対象に、その臨床成績およびX線学的評価を行ない、適応の限界に言及した。1)平均経過観察期間は2年8ヵ月であった。2)術前、sharp角は臥位と立位はほぼ同等で、健側も臥位、立位に変化がなかった。CE角は臥位に比べて立位で骨頭被覆率が減少していた。3)骨盤傾斜角は臥位よりも立位で骨盤後傾が増強しており、前方被覆率はVCA角が平均17°と低下していた。4)JOAスコアは術前平均49点から術後平均名86点と改善し、術後に脱臼した症例や、再置換を要した症例はなかった。5)病態が進行して寛骨臼側の骨欠損を来していても、臼蓋外側縁が残存しているcavitary deficiency様の骨欠損形態では、骨移植を併用したBHAも良好な手術成績が得られた。以上、これらのことからもBHAは軟骨が残存しているSIFの第一選択の治療法と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007