発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012156572
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14歳男。1年2ヵ月前ころより右膝内側痛が出現し、屈曲位から伸展する際にクリックを自覚していたが、自動伸展不能となった。右膝関節内側から鵞足部にかけて疼痛・圧痛・腫脹を、右脛骨近位内側部に自発痛を伴う腫脹と圧痛が認められた。X線で脛骨近位内側につらら状に突出する境界明瞭な骨突起を認め、MRIではT1・T2強調画像で低信号を呈し、表層に大きな滑液包形成は認めなかった。骨軟骨腫による膝ロッキングと診断し、手術を施行した。縫工筋を線維方向に切開し直下の滑液包を切開したところ、半腱様筋の腱性部分が骨腫瘍の先端に嵌頓してロッキングを生じていた。半腱様筋腱を上下に移動させて腫瘍切除を試みたが不可能で、縦割により腫瘍の全貌が露出され、骨ノミを用いて切除した。他動で膝関節の屈伸は抵抗なく可能となり、半腱様筋腱がスムーズに滑走できていることを確認した。術直後より疼痛は軽減し、2年経過して疼痛やロッキングの再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012