発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008233808
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66歳女。右膝蓋骨下外側に約6×6cmの腫瘤を触知し、単純X線像では右膝蓋骨下外側に直径約5cmの骨性腫瘤陰影を認め、脛骨前面はスキャロッピングを呈していた。MRIでは腫瘤内部はT1強調画像で低信号、T2強調画像で低信号と高信号の不規則な混在を呈し、腫瘤周囲はT2強調画像で高信号を呈した。手術所見で、腫瘤は線維性被膜におおわれ、腫瘤の基部は関節包を貫通し、膝関節腔内の膝蓋下脂肪体と連続していた。腫瘤は約5×4cmで、関節外に突出する部分は灰白色、光沢のある凹凸の表面を有し、関節内に連続した脂肪組織様の軟部組織が存在していた。病理組織学的に腫瘍実質は軟骨組織と骨組織からなり、両者の間には骨組織の中に軟骨細胞が存在し、内軟骨骨化を伴っており、骨軟骨腫と診断した。術後経過は良好で、膝関節ROM制眼もなく、独歩にて退院した。術後3ヵ月で特に異常は認めない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008