発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007076381
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23歳女性。患者は18歳時、バスケットボール中に転倒し、膝関節血腫を生じ加療を受けていた。今回、歩行時に左膝の亜脱臼感を自覚し、痛みの持続で著者らの施設へ受診となった。X線では膝蓋大腿関節下方に1×15mmの骨性隆起と、膝蓋骨内側関節面に不整像を認め、膝蓋骨軸写像でも大腿骨と膝蓋骨との間に介在する骨性隆起を認めた。また、CTでは骨性隆起が膝蓋骨を外側へ押しやっていた。一方、X線計測ではtilting angle 15°、sulcus angle 145°、congruence angle -55°、lateral shift 0%であった。手術を行ったところ、術中所見では大腿骨側に不整や骨片はなく、膝蓋骨側にも骨性隆起は認めず、プローブによる探索で膝蓋骨内側近傍と滑膜内に骨片がみられた。鏡視下に骨片(14×14×1mm大)を摘出した結果、X線ではtilting angleは10°と改善し、翌日より荷重、自動運動を開始した。以後、術後6ヵ月のCTで膝蓋大腿関節の適合性の改善が認められた。
©Nankodo Co., Ltd., 2006